家に帰って日経ビジネスを開くと、面白い記事を見つけた。
「品質崩壊」という特集で、要するに、最近の商品はソフトウェアがその機能発揮において重要な位置づけとなっているが、さまざまな要因でそのソフトウェアの品質が保てない状況に対しての問題提起だった。
 
先日、自分のblog「電話壊れる」で書いたようなことと、似た内容が書いてあったので、興味深かった。
中でも目を引いたのは、トヨタの新車「ハリアーハイブリッド」の囲み記事。
いわく、この車はソフトウェアの塊であらゆる機能が電子的に制御されているとのこと。
トヨタの戦略としては、電池のシステムは物理的に1種類にして、ソフトウェアによって乗り味とか燃費をコントロールすることで、適用車種を増やしていくことらしい。
いわゆる「モジュール化」なのだが、それ以上に驚いたのは、その制御系ソフトウェア自体もモジュール化してしまおうという試み。さすが日本中の頭脳が大量に集まっている会社だけあるなぁ。
 
社会のIT化ってコミュニケーションが変わることばかり取りざたされることが、なんかおかしいなと思ってた。僕は、IT化の本質は、モノづくりが変わるところにあると思う。
人々がつながったり、組織がフラット化することよりも、モノづくりのほうが経済に与える影響は格段にでかい。
 
それから、もうひとつは企業の寡占化が進むこと。
基本的にソフトウェア作りは「ものすごく」金がかかる。
今まではスケールメリット出そうと思ったら、効率的な生産プロセスを前提として、いかに人件費が安くて体力があり、性格がまじめな人間を雇うかが鍵だったように思う。
でも、ソフトウェアは頭がよくないと作れない。中学の成績オール3ではまず無理だ。
頭のいい人間は基本的に人件費が高い。
そういう人間を雇える会社は、限られる。
限られた会社しか、いいものを作れない。
だから、その他の会社はどんどんつぶれるか、大手に吸収される。
 
社会の二極化、これからますます進みますね。
 
知識工房 山崎