「まぐまぐ」のサービスを使ったことはあっても、創業者の名前は以外に知らない人も多いと思う。
大川弘一さんです。
なんと、世界を股にかけるギャンブラーになっていました。

実は、大川さんには私が起業した時に、事務所を間借りしていました。
一緒に始めた仲間と、大川さんが高校・大学の同級生だという縁でした。
はじめてお会いした時の様子は、今でも昨日のことのように思いだします。

11年前、当時31歳だった私は、「こんなビジネスをやろうと思っている」という話を初対面の大川さんに話しました。
腕を組んで、うんうんとうなづきながら聞いていた大川さんは、私の話が終わると、ニヤッと笑いながらぼそりと言いました。
「カネの匂いがしないね……」

当時の私は大ショックを受けましたが、今となっては大川さんが言わんとすることは痛いほどわかります。
ニュアンスがわかるまで3年ほど、こうじゃないかと思い始めるまでに5年ほど、感触めいたものをつかむまでに7年ほどかかりましたが、本当に大きなヒントでした。
私も、当時の自分に会ったら同じことを言うと思います。
「カネの匂いがしないね……」

そんな大川さんにはすっかりご無沙汰して居ったのですが、著書を見て「なんと、ポーカーですか」と腰を抜かしました。
そして、その内容は本当にエキサイティング。
ただ、ところどころにちりばめられるモノローグが、何とも涙を誘うもので、直接の境遇を存じ上げないながらも、自分の身に降りかかったことのあることと重ね合わせたりして…。

本当に面白い本です。